撮影経験のあるペットの飼い主さんにインタビューを行いました。
ペットとの暮らしの参考になることも多いと思うのでぜひご覧くださいませ。
飼い主さん兼ハンドラーの原さんと、ペットはペットタレントのワンちゃんエースくんです。
今回動画オーディションを経て見事、CM撮影に起用されました!
エースくん初CM撮影なのに意外と求められることが多く、どんなふうに準備し
結果どうなったのか?!などお時間のある際にご覧くださいませ!
今回CMの詳細はこちらではお伝えできませんが、ワンちゃんには寝ている演技、ヘッドダウン(あごをつけた伏せ)→
役者さんのセリフに反応してパッと振り向く→役者さんの腕に手をかける。という高度な演技が求められました。
Q:最初にペットモデルをやってみたい!と思ったきっかけは何ですか?
最初は本当に軽い気持ちでした。
親バカですが、ボストンテリアらしい顔立ちをしている上、おとなしく待つことなどもできたので、
もしかしたらモデルに向いているのでは?と思い、とりあえず事務所に登録してみたという感じです。
佐藤「元気に遊ぶこともできるし、しっかりマテもできるので撮影しやすいですよね!」
Q:定期的に参加している習い事はありますか?
月に1回程度ですが、タレント犬のレッスンを受けています。
レッスンが楽しいようで、いつもスクールに到着すると、走って中に入っていきます。
佐藤「すっかりスクール大好きになってますね!素敵です!」
Q:今回の CMオーディションはどのような形で行われましたか?
指定された動きを撮影した動画を提出する形でした。
ある日の午後3時くらい(お散歩中でした)に佐藤さんから連絡があり、
翌日の昼頃までに動画を提出できれば、オーディションに参加できるということでした。
実は、その翌日は早朝から出かけなければならなかったので、散歩から帰宅後に急いで準備をし、
連絡をいただいた当日中に動画を撮影、提出しました。
佐藤「その節は早急にご対応くださりありがとうございました!チャンスは突然訪れますよね。」
Q:オーディションで苦労した点、工夫した点を教えてください。
お母さん役の人から「ほら」とタブレットを見せられ、一緒に喜ぶというシーンがあったのですが、
これをどう表現をどうするかで悩みました。
というのも、絵コンテでは、しっぽを振るとなっていたのですが、ボストンテリアはしっぽがないので、
それに代わる表現をこちらで考えなければならなかったのです。
そこで、タブレットを持つお母さんの手にエースの手をかけて、「どれどれ?」というふうに
一緒にタブレットを見るという演出にしたのですが、結果的にこの演出が、
そのままCM撮影でも採用されたので、よかったのかなと思います。
佐藤「できることを整理して喜びの表現のバリエーションを考えるのも楽しいですよね!」
また、この時、最初はハンドラーである私がお母さん役をやって動画を提出したのですが、
佐藤さんから、実践を想定して、ハンドラー以外の人にお母さん役をやってもらった方がいい
というアドバイスをいただき、夜の11時すぎに夫が帰宅した後にお母さん役をしてもらい撮影しました(笑)
寝ていたところを起こされたエースは迷惑だったかもしれませんが、これによって、
ハンドラー以外の人ともからめる(ハンドラーの遠隔指示で動ける)ことが示せたおかげで、
採用につながったのかなと、佐藤さんのアドバイスに感謝しています。
佐藤「寝ていたところを起こされてもしっかりやるという練習にもなりましたね!
映像もとてもきれいだったので良い部分がよりよく見えたと思うので、動画の撮り方も+αな部分ですが、とても良かったと思います!!」
Q:撮影決定した際はどのような思いでしたか?
もともとボストンテリアとは違う犬種での募集だったところに、
系統が同じということで「おまけ」的にオーディションに参加させてもらった経緯があったので、
正直かなり驚きました。
でも、映像作品への出演は一つの夢でもあったので、犬種の枠を超えて
エースを選んでいただけたことに感謝しました。
佐藤「もう少し大きい方がいいとなったらダメでしたが結果とてもちょうどよく毛色もあってましたね!」
Q:撮影が決定してから本番までどのぐらいの期間がありましたか?
2週間程度ありました。
佐藤「求められた動きを強化するには十分時間があって助かりましたね!」
Q:撮影本番までの間、撮影のためにどんなことをしましたか?
いただいた絵コンテを基に、求められる動きを練習しました。
特にヘッドダウンが重要だったので、遠隔からの指示や声だけの指示でできるようにしました。
また、 お母さん役の役者さんに手をかけるシーンがあったので、夫や身内、
レッスンしていただいてるインストラクターさんなどに役者さん役をお願いして、
いろいろな人で練習しました。
佐藤「おうち以外の場所で、知らない人とという練習はかなり本番を想定したもので、素晴らしいです!」
それから、怪我や病気をしないように、特に撮影前1週間はいつも以上に注意しました。
特に、外で遊んでいるときに爪や肉球を怪我したことがあるので、
撮影前1週間はバンテージを巻いて遊ばせました。(元気ざかりなため遊ばないということは無理なので…)
佐藤「激しい遊びも控えてくださり、バッチリな体調管理をありがとうございました!」
Q:本番では飼い主さん、ワンちゃん共に練習通りできましたか?
飼い主は冷や汗をかきながらでしたが、エースは驚くほどいつもどおりでした(笑)
初めてかつ独特な雰囲気の中にもかかわらず、落ち着いて、練習どおりできていたと思います。
ただ、同じ動きを何度もやったので、さすがに最後の方は疲れて集中力が落ちてしまったかもしれません。
(撮影の終了時間が決まっていたので休ませずに続けてしまいましたが、もしかしたら途中で小休止を入れてもよかったかもしれません)
佐藤「私もあそこまで落ち着いて淡々とこなしている姿には驚きました!練習の成果が200%ぐらい出ていましたね!
雰囲気的にもあのワンちゃん落ち着いているし大丈夫そうだからやっちゃおう!と言った流れになってしまいましたが、
十分最後までがんばってくれて素晴らしかったです!!!」
Q:本番で、同じ動きを何回ぐらいやりましたか?
感覚的には、トータルで20回〜30回くらいはやった気がします。
佐藤「休みなく、これだけの回数をこなすなんて本当にすごいです!とてもよく集中してくれていましたね!」
Q:当日のワンちゃんの食事やおやつ、おトイレの調整はどのようにされましたか?
撮影が午後6時~8時くらいで、夕食の時間と少し重なる感じだったため、
おなかが空かない程度に食事を与えてから出かけました。
でも、撮影中にたくさんごほうびのおやつをあげたので、お腹は空かなかったと思います。
おトイレは、近隣駐車場から現場までの間にお散歩をしながら済ませました。
撮影がそれほど長くなかったので、その後は撮影終了まで大丈夫でした。
佐藤「内容は濃かったですが、短めの時間だったので、その点はラッキーでしたね!」
Q:本番で苦労した点を教えてください
目線の管理で、最初エースは、中途半端にハンドラーの姿があるとそっちを見てしまいがちだったのですが、
試しに隠れて見えないようにしたら大丈夫だったので、途中からその方針にしたらスムーズにできました。
また、同じ動きを何度もやっていた疲れからか、最後の方はやや反応が鈍くなってきてしまい
(頑張ってやろうとはしていましたが)、 エースのモチベーションを高めるのに少し苦労しました。
ハンドラーに関しては、画角の把握や指示を出すタイミングが難しく、
ご迷惑をおかけしてしまったかもしれません。
佐藤「色々変化をつけて調整したのもエースくんが集中できたのかもしれませんね!ハンドラーさんの合図を出すタイミングなど
色々なことに気を取られる中、良い塩梅で落ち着いて良かったと思いますよ!」
Q:本番で嬉しかった点を教えてください
エースが、疲れを見せながらも、最後のカットがかかるまで頑張ってやり切ってくれたことに感動しました。
すべての撮影が終了し、見学に来ていたクライアントさんが
「Ace, Good job!」
と言ってお帰りになられた時の安堵感は、今でも忘れられません。
佐藤「登場人物も多かったので、これで良かったのかわからない中、とても安心しましたね!」
Q:今回の撮影で得た今後の課題があれば教えてください
先ほどの苦労した点とも重なりますが、ハンドラーのことを見がちなのと、
特に撮影後半で疲れてきたときに、やや反応が鈍くなることがあったので、
目線のコントロール、疲れやモチベーションのコントロールが課題に感じました。
佐藤「普段の生活では目線のコントロールは必要ないですが、撮影でできるととても便利ですよね!
どう休ませ、どう切り替えるか、もっと長い撮影になる場合はかなりカギになってきますね!」
Q:これからペットモデル、ペットタレントを目指す飼い主さんにこれだけはやった方がいい!のアドバイスをください!
質問の答えになるか分かりませんが、まず、適性を見極めることは大切かなと思います。
エースに関していえば、落ち着いている、マイペース、向上心がある
(いろんなことに挑戦、練習するのが楽しい。ただし目的は、ごほうびのおやつですが…)
といった性格は、多分もともと持っていたものだと思うので、
ペットモデル、ペットタレントとしての適性は、何となくあったのかなと思います。
佐藤「エースくんのようにポジティブで環境変化に強いコは本当に撮影にも強いですね!」
ペットにも当然いろんな個性があって、どれもみんな素敵だと思うので、
ペットモデル、ペットタレントに限らず、その子の個性に合った輝ける場、
その子が楽しめる場を見つけてあげることが大切かなと思います。
佐藤「素敵です!私もそう思います!他人の抱っこなら100%対応できる!なども強みです!」
その上でということになりますが、社会性を見につけるということは、小さい頃から心掛けてきました。
コロナ禍においては、なかなか気軽に外出等もできず難しいかもしれませんが、
大きさや性格の異なる他のペットとの接し方(相性が悪いと思ったら無理に関わらないことも含め)、
老若男女問わずいろいろな人との接し方、初めての場所、環境等への適応力などを身につけておくことは、
ペットモデル、ペットタレントを目指す上で、やっておいたほうがいいかなと思います。
佐藤「エースくんの小さい頃からの心掛けが本当にその後の暮らしやすい生活に影響することがよくわかります。
他人や他のペットのことも考えた管理もとても重要ですね。元々の性格の良いところを伸ばし、管理するのはポイントです。」
あとは、ペットさん自身にやる気があって、楽しんでいるようでしたら、
できないことはないと思ってあきらめないことだと思います。
ちなみにエースは吠えない子でしたが、適切なレッスンを受けて3カ月くらい練習した結果、
きちんと指示で吠えることができるようになりました。心配していた無駄吠えをは一切ありません。
吠えることは、演技として求められることも多いようなので、エースを信じて挑戦してよかったと思います。
佐藤「私もエースくんは吠えるは教えない方向だと思っていたので驚きました!吠えることができるようになっただけではなく、
しっかりと合図で吠えるという物事の弁別をつけた教え方で無駄吠えをさせず、とても素晴らしいと思いました!」
みなさんのペットさんも、モチベーションの源は何であれ楽しんで取り組めるタイプであれば、
可能性は無限大だと思いますので、無理だとあきらめずにぜひ挑戦してみてください。
わが家(夫にもかなり協力してもらってます)も、まだまだ可能性を探り続けたいと思います。
佐藤「ご家族のご協力も糧になって、どんどん成長しているエースくん、本当に素晴らしいです!何よりも原さんが、
積極的にエースくんの能力を伸ばし、楽しんでいらっしゃることもエースくんも楽しくて仕方ないですね!
できることもとても増えて、ペットタレントまで上り詰めたエースくん。
いつも元気なので、人とボール遊びするなどの撮影もきっと楽しめること間違いなしですね!」